健全な身体の発達と意志を育てる

7歳までは人間の基盤となる肉体を作る大切な時期です。目が見える、首がすわる、手足を自由に動かす、寝返りができる、はいはいをする、立つ、歩く、話す……。生まれてから7歳までの乳幼児は、どれほどたくさんの身体的発達をすることでしょうか。目に見える発達だけではなく、内臓器官の働きもこの時期に整えられているのです。

知・情・意がバランスよく育ち、しっかりとした自我を持つ一人の人間となるために幼児期に意志を育てます。そのためには毎日の生活が同じように繰り返されること、そして、周りの大人が愛と喜びを持って秩序ある生活をしていることが大切です。その中で幼児は安心して遊び、大人を模倣して、自らの力で生きるための意志が育っていきます。

なのはな園の運営

なのはな園は、井の頭公園に近い東京都三鷹市に一軒家を借りて父母と教師で自主運営をしている3~5歳児定員30名の園です。1995年からシュタイナー幼児教育を実践してきました。

2013年1月より「一般社団法人 ヴァルドルフの森」を設立して運営を行っています。在園児の両親、教師、そしてこの会の趣旨に賛同し協力して下さる方々が正会員となり、一人ひとりがその運営に意志を持って参加し、責任を持ち、運営の全てを話し合いで決めています。

基本方針

ゆったりとした流れの中で繰り返される毎日の営み

なのはな園の1日は、外へ広がる「拡散・動」と内へ入る「収縮・静」のリズムが交互にゆったりと繰り返されます。このリズムと繰り返しは本来自然界が持っているものです。健全な身体の成長のためには規則正しい生活のリズムが必要になります。また同じことが繰り返されることによって幼児は安心感を得ます。

自然素材のシンプルな遊具から子どものファンタジーが育つ

遊具がシンプルであればある程、子どもは想像力を働かせることができ、楽しく遊べます。また、友だちとの遊びを通してたくさんの経験をし、人と人がともに生活するために必要な力を得ます。科学技術が発達し、本物に限りなく近い作り物が増えてきた現代を生きる子どもたちにとって、幼児期に自然素材に触れることが、「何が真であるかを見極める力」につながります。

周りの環境を通して学ぶ

幼児期の子どもの感覚は周りの世界に対して開かれています。すべてのものを感覚を通して自分の中に取り込んでいくのです。ですから、この時期は子どもが毎日どのような環境の中にいるかがとても大切です。なのはな園では感覚を守り育てる調和の取れた環境を考慮しています。

環境には物質的なものだけでなく、周りの大人の心のあり方や振る舞いも含まれます。説明をして教えることではなく、「子どもが大人の模倣をして学ぶ」ことを教育の基本としています。

園と家庭

周りの環境を通して育つ幼児にとって、園と家庭での生活は同じ質であることが大切です。そのために教師と保護者が信頼関係をもって、ともに子どもの育ちについて話し合い、協力し合って成長を見守っていきます。月1回の父母会や、個人面談、勉強会の場を持っています。